レンズカビの見分け方
中古オールドレンズ購入時のチェックポイント
オールドレンズ購入で必ず出会う「カビ」
中古のオールドレンズを探していると、必ず目にする言葉があります。
- カビあり
- カビ跡
- 薄カビ
- 清掃済み
ショップ説明でもよく見かけますし、個人売買ではさらに曖昧な表現になることも多いです。
ただ実際には、この「カビ」という言葉の中にはいくつかの状態が混ざっています。
- 生きたカビ
- カビ跡
- 曇り
- バルサム劣化
見た目は似ていても意味はまったく違います。
オールドレンズを選ぶときに重要なのは、
「これは何の状態なのか」
を見分けることです。
慣れてしまえばそれほど難しくありません。
むしろポイントはかなりシンプルです。
レンズカビの基本構造
レンズカビは空気中の胞子がレンズ内部に入り込み、湿度の高い環境で増殖する微生物です。
カビはガラスそのものを食べるわけではありません。
実際には
- 指紋の油分
- レンズコーティング
- 微細な有機物
などを栄養にします。
その過程で酸性の代謝物を生成し、これがコーティングやガラス表面を侵食します。
この侵食が進むと、清掃しても跡が残る状態になります。
つまり
カビ → カビ跡 → ガラス侵食
という段階があるわけです。
中古レンズでは、このどの段階なのかを見極めることが重要になります。
レンズカビの主な3タイプ

※画像はイメージです
実際のレンズカビにはいくつかの典型的な形があります。
糸状カビ(クモの巣タイプ)
最もよく見かけるタイプです。
特徴
- 糸のような模様
- 放射状に広がる
- 前玉や後玉に出やすい
典型的なレンズカビです。
この段階なら、分解清掃でかなり綺麗になることもあります。
点状カビ(ドットタイプ)
小さな白い点が散っている状態です。
特徴
- 点の集合
- 表面に付着
- 初期段階が多い
この状態は比較的軽症です。
ショップで「薄カビ」と書かれているレンズは、この状態であることが多いです。
曇りカビ(ミストタイプ)
これは少し厄介です。
特徴
- うっすら白い曇り
- レンズの一部に広がる
- 逆光で見えやすい
この状態は
- カビ跡
- ガラス侵食
になっていることがあります。
完全に元に戻らない可能性が高い状態です。
カビ跡との違い
中古レンズでよくあるのが
「カビ除去済み」
という表記です。
ここで注意が必要です。
カビが除去されてもカビ跡は残ることがあります。
これはコーティングやガラスが侵食されているためです。
見分け方のポイントは模様が残っているかどうかです。
カビ跡は
- カビの形をした模様
- 光に当てると浮き上がる
という特徴があります。
この状態は清掃では消えません。
中古レンズ購入時のチェック方法
レンズカビを確認する方法はとてもシンプルです。
必要なのは
- 小型LEDライト 例:OLIGHT(オーライト) Imini2
- ルーペ(あると便利) 例:Nikon 宝石鑑定用ルーペ 10X NEW (日本製)
だけです。
カメラ店でも、だいたいこの方法で確認しています。
こんな商品もおすすめです。
【宝石鑑定士監修】 宝石鑑定用 ジュエリールーペ【倍率40倍】LEDライト/拡大鏡 ルーペ
LEDライトで斜めから照らす
ライトをレンズの横から当てます。
ポイントは
斜光
です。
真正面から当てると見えません。
斜めから光を入れると
- カビ
- ホコリ
- 曇り
が浮き上がります。
小型ライトがあると確認しやすいです。
(中古レンズ確認用にコンパクトなLEDライトを持っておくと便利です)
ルーペで細部を見る
細かいカビは肉眼では見えないこともあります。
そんなときはルーペを使います。
特に
- 前玉周辺
- レンズ縁
はカビが出やすい場所です。
ルーペで確認すると判断しやすくなります。
カビレンズは買ってはいけない?
これはよく聞かれる質問です。
答えは
状態によります。
判断基準の目安はこんな感じです。
買っても大丈夫なケース
- 点カビ少量
- 前玉のみ
- 清掃可能な状態
避けた方がいいケース
- 内部レンズの広範囲カビ
- ガラス侵食
- バルサム劣化併発
特に
貼り合わせレンズ内部のカビ
は修理難易度が高いです。
初心者は避けた方が安全です。
カビを防ぐ基本
オールドレンズのカビは
湿度管理
でかなり防げます。
基本は
- 湿度40〜50%
- 長期放置しない
- 定期的に光を通す
この3つです。
防湿庫やドライボックスを使うと管理が楽になります。
まとめ
中古レンズのカビを見抜く
オールドレンズ購入では
カビを見る目
がかなり重要です。
チェックポイントは
- LEDライトで斜光確認
- 模様の形を見る
- 内部レンズの状態
この3つです。
慣れてくると、ショップの説明を読むだけでもだいたい状態が想像できるようになります。
オールドレンズの楽しさは、こういう小さな観察の積み重ねにもあります。
良い個体に出会えると、それだけで撮影に出かけたくなります。
中古市場にはまだまだ魅力的なレンズがたくさん残っています。
状態をよく確認しながら、自分に合った一本を探してみるのも楽しい時間だと思います。
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